第2回の<HCW>から3年半ぶりの来日となったミステリー・ジェッツは、事前にアナウンスのあった通り、来年1月にリリース予定の最新作『カーヴ・オブ・ジ・アース』を全曲演奏というスペシャルなパフォーマンスを披露。前日のドーターと同様、メンバー自身も新曲をどう再現すべきか手探り状態だったとはいえ、全編通して泣きメロ連発、とにかくエモーショナルなアルバムに仕上がっているようで楽しみだ(筆者の後ろではボヒカズのメンバーも見ていました)。その後は「テムズ・ビート万歳!」と言わんばかりに“Young Love”や“Two Doors Down”といった過去のキラー・チューンもプレイし、ヴォーカルのブレイン・ハリソンが「モットホシイデスカ?」とやけに流暢な日本語でオーディエンスを煽るなど、サービス精神旺盛。ラストの“Alice Springs”で大合唱を巻き起こすと、「またすぐに会おうね!」とステージを後にしたミステリー・ジェッツ、初来日から約10年を経て日本のファンとの結束はますます固くなっているようだ。

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2日間の大トリを飾るのは、ミステリー・ジェッツと同様に第2回の<HCW>からカムバックを果たしたブロック・パーティーだ。1月にリリースされる5thアルバム『ヒムズ』が控える中での来日となったわけだが、今回はオリジナル・メンバーにしてリズム隊の2人が脱退後、新ラインナップとなってからまだ何度目かのライヴ。不安が無かったかと言えばウソになるが、いやいや、誇張抜きに素晴らしいパフォーマンスだった。ソロ2作目『トリック』(14年)を経てますます艶っぽくなったケリー・オケレケのヴォーカルはもちろん、そのケリーに負けじと(?)ビルドアップしたラッセル・リサックのギターは震えるほどカッコイイし、弱冠21歳にして紅一点の新ドラマー、ルイーズ・バートルは前作の“So He Begins to Lie”のようなハードな楽曲も難なくこなしていてビックリ。

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セットリストはまさしくオールタイム・ベストと呼べるもので、ゴスペルを思わせる“The Good News”などの新曲が違和感なく溶け込んでいるばかりか、“Song for Clay (Disappear Here)”から間髪入れずに名曲“Banquet”へと繋げる展開は鳥肌もの。ラップ調のヴォーカルと新ベーシスト=ジャスティン・ハリスのベースラインが絡みつく“Ratchet”で本編を終えると、ヘンテコなウワモノ&多幸感が聴けば聴くほどクセになる “The Love Within”、多くの「別れ」を歌った“Exes”といった『ヒムズ』収録のナンバーを披露し、鉄板のキラー・チューン“Helicopter”でフロアの熱気は最高潮へ。クロージングはやはり、彼らの美メロとギター・サウンドを象徴する“This Modern Love”だ。8年前にこの場所で行われた単独公演を目撃した者としては、新たに生まれ変わったブロック・パーティの変わらぬ「ひたむきさ」に、胸が熱くなるステージだった。

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photo by Kazumichi Kokei