kim(UHNELLYS)

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コラムニスト

声とバリトンギターによるリアルタイムサンプリングと、それにジャストのタイミングで合わせたドラムを基盤に、ロック、ヒップホップ、ジャズの垣根を飛び越えた唯一無二のサウンドを構築する「UHNELLYS」で歌う男。2013年には2度目の<FUJI ROCK FESTIVAL>に出演し、夜の食堂を大いに盛り上げる。そして2014年3月、自身で設立したレーベル、〈I’mOK〉から5thアルバム『CHORD』をリリース。何度でも言うが音楽は素晴らしい。

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猫のミキオ

「何か用事かね? さっきからワシらを見ているじゃないか。」すみません、2人は凄く仲が良いなと思って見つめてしまいました。随分長く一緒に過ごしているんですか?

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生涯を捧げて

思っていたほど衝撃は無かった。私の車が頑丈だったからかも知れない。車内に鈍い音が響いた瞬間、背の高い男は数メートル先まで吹っ飛んで、畑の中にゴロゴロと転がった。

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片腕のテキ屋

僕は祭りが嫌いだった。屋台で焼きそばを作っている親父を友達に見られるのが恥ずかしかったからだ。親父は生まれつき左腕が無くて片腕だけで焼きそばを作る。

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その手を離せ

ジャリジャリと鎖を引きずる音がする。一体何の音だろう、と振り向くと汚れた犬が僕を見上げていた。

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ねじれた先に

「フジタタカノブさんですね」駅のホームで電車を待っていると、誰かが大きい声で言ったのが聞こえた。なんとなく声の方向を見ると、妙に目の据わった警備員の男が立っている。

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小さい秋

「すみません、紅葉は今どうなっていますか?」散歩していた公園で僕は突然外国人に話しかけられた。もう散り始めてますが色はまだまだ鮮やかですね、と答えると「散り始めたんですね」と寂しそうに呟いた。

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あなたとならば

「母親がいれば大丈夫。男の子なんて勝手に育つんだから」近所のおばあちゃんがそう言って励ましてくれたけど、男兄弟を女手ひとつで育てるのはとても大変だった。

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Talk To Me

部屋にある材料で作業すること数時間。完成したのは僕が愛した女性の顔だった。ラジオからたまたま彼女が好きだった曲がかかったから、朝から頑張ってしまった。

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母とのランチ

「部長がデスクで弁当食べてるとランチに行きづらいんです」と部下に言われた。確かに普段から私は弁当を食べることが多い。出張の時も移動中には必ず弁当を買うし、仕事帰りにも安くなった弁当を買って帰る。

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思い出してごらん

僕は幽霊ということになる。自覚は無いけど生きていた時は自分でもそう呼んでいたから。

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近寄る蜘蛛

割れるような頭痛で目が覚めた。すぐに起き上がって水を飲みたい所だが、体は金縛りにあったかのようにぴくりとも動かない。昨日はそこまで酒は呑んでないはずだ。記憶が少し曖昧だがこの安いラブホテルに入った所までは憶えている。

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もう2度と

俺は借金がふくれあがった人達を作業現場に送り届ける仕事をしている。普通の人間なら大金を積まれたってやらないような仕事を、彼らは短くても半年は続けなくてはならない。

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私の妖怪

私と同い年のクラッシュ。世界記録の長寿犬が29歳だから、23歳のクラッシュも相当な老犬だ。もう目が見えないし耳もほとんど聴こえてないから、色々な場所にぶつかりながら私の臭いをたよりに近づいてくる。

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不安な犯罪者

「緊急停止致します」と船内放送が流れフェリーは止まってしまった。あと5分もすれば港に着くというのに。

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WE ARE YOUNG

やっと今朝描き終えたよ。どうにか君の誕生日に間に合った。この絵の元はきっとあれだろう、3年前にスペインを旅行した時の写真だ。30年間生やしてた口ひげを突然剃った私を、君がすごく気に入ってくれた時のものだ。

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線路は続くよどこまでも

嫌な予感がした訳ではない。でもいつもと何か違っていたのだと思う。私は駅に近づいた時、普段より早めにブレーキに手をかけていた。いつもの彼がいるのが見える。毎朝同じ場所に立ち、到着する電車の写真を次々と撮っている彼は、特に珍しくもない電車まで撮影してくれるので、運転士たちの間でかなり有名人だった。

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神輿が静かに揺れている

妻の目覚まし時計がけたたましく鳴っている。もう何分も鳴りっぱなしだ。

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不透明のままで

彼女が浮気していると勘違いした瞬間から僕の人生の終わりが始まった。携帯で楽しそうに話している相手が気になったり、いつもより帰りが遅い彼女に何度もメールしたり。僕とは到底不釣り合いな美人と付き合ったばかりに、彼女に対する独占欲は日に日に募るばかりだった。

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私から私へ

40年後の私は知らない男の人と公園デートをしていた。白昼堂々と肩を寄せ合い甘い言葉を交わしている2人の距離感は、明らかに大人の関係を匂わせている。

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9月の憂鬱

私達は映画を観に来た。夏休み最後の日という事もあって、子供連れの家族が多くロビーはとても賑わっていた。2つある女性用のトイレはどちらも外まで並んでいる。

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四季を運ぶ

「もう今年の夏は満喫したかね」公園のベンチでランチをしていた私に突然話しかけて来たのは、真夏にも関わらず厚手のスーツを着こなした初老の紳士だった。

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揺れないブランコ

「10歳を越えると、もう誰も君達をもらってくれないぞ」毎日のように院長先生に言われつつ、僕とユミコはとうとう10歳を迎えた。近頃は新しく入った子供達に、ここでの過ごし方を教えるばかりの日々だ。

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象の涙

「お願いがあります。象に乗るのは今日で最後にしてください」前に座っていた象使いが唐突に僕たちに言った。決してふざけている訳ではないし、怒っている訳でもなさそうだ。かなりベテランに見えるその象使いは、僕の目を見て真摯に訴えかけてくる。

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最後の夏に

僕はこの島の最後の小学生。僕が卒業すると同時に小学校が廃校になる。今は僕しか子供がいないからどこにいっても声をかけられるし、誰にでも可愛がられる。

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合わない目線

私達は完全に迷っていた。山道が急に細くなった辺りで「おかしいかも」とは思っていたけど、どんどん進んで行く彼をどこかで信用していた。今はもう道さえもない。なんだか彼は自棄になってるみたいだ。

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もうすぐ夜が明ける

始発で帰ると橋の上にお父さんがいた。こんな朝早くから犬の散歩をしているはずがない。犬の散歩のフリをして、私のことを待っていたのだ。別に初めての朝帰りというわけではないし、普段から教育に厳しい家庭というわけではない。私はひとつ大きく呼吸をしてから、自然を装ったお父さんに近づいていった。

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追憶のメロディ

たった1曲売れる曲が作れただけで、俺の生活は豹変した。ライブ後にはいくつもの札束とドラッグが楽屋に届くし、裏口にはファン達が長蛇の列を作っている。

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ブレイクショット

10年前、私は日本人として初めてビリヤードの世界選手権に出場する女性ハスラーとして世間を騒がせた。世界大会が近づく頃には連日テレビに登場し、どこに行っても全く知らない誰かに声をかけられる毎日だった。

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忘れないでいて

俺は昔、畜産の仕事をしていた。日本では豚肉人気が上がる一方で、どこの畜産業者も豚の飼育数を増やせるだけ増やしていた。狭い檻に入れられる豚達は更に増え、ギュウギュウになった檻の中で豚達は餌を奪い合っていた。

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雨がいつか止むように

「あの事故で生きてたなんて本当に奇跡だよ。足を一本無くした程度で済んで良かったじゃないか」彼と一緒にいた友人はそう言って私を慰める。

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知らないふりして

幼い頃、先生に名前を間違って呼ばれた回数なんて数え切れない。今でも友人達に本人なのか確認されたり、街中で知らない人に突然「昨日お前が言ってた通りだったよ」なんて声をかけられたりする。きっと兄貴も同じ経験をしているはずだ。

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誘惑の先に

レストランの入り口に捜査員らしき男達の姿が見えた。目標が私である事は経験上何となくわかる。

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鮮やかなモノクローム

「お前が好きそうなもんがあるぞ」と実家にいる父親から連絡があった。祖父の親友が所蔵していた祖父の遺品だという。最近その方も亡くなったために、奥さんの計らいで数十年振りに実家に戻って来たのだ。

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犬と孤独

飼い犬が連れ去られたと通報があった。それはある悲しい男の、悲しい反乱だった。

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最後の記憶

もう微動だに出来ないし、声も出ない。でも、俺は生きていた。

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受取人不明

[第60回 受取人不明]僕の地方では、船乗り家業は長男が継ぐと決まってる。まだ幼い頃から船の手伝いをさせられ、15歳になると初めて船に乗る事を許される。

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ブスNY行きたい族 03

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