夏の風物詩<FUJI ROCK FESTIVAL’23>(以下、フジロック)>開催まで残り約2週間となった7月現在、今年はアジア中のフェスティバルを回っているというFestival Life編集長の津田昌太朗さんをキャッチし、Qeticでは毎年恒例となる<フジロック>特集インタビューを実施。

新興するアジアのフェスシーンの中で、今年の<フジロック>はどのような立ち位置にあるのか。今年のラインナップから読み取れるストーリーや、注目すべきポイントとは。2023年の<フジロック>について、根掘り葉掘りお伺いしました。

また、東京ミッドタウン八重洲にて、<フジロック>を一足早く体感できるプレイベント<FUJI ROCK WEEK>が7月17日(月・祝)まで開催。津田さんは7月12日(水)と16日(日)にトークショーに出演するので、ぜひとも足を運んでみてください。

フジロック’23 今年の夏は苗場でバケーション!

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世界規模に急成長するアジアのフェスティバル事情

──<フジロック>のお話をお伺いする前に、津田さんは今年アジアのフェスティバルに力を入れて回っているそうですね。

年末からインドネシア、インド、シンガポール、香港、タイ、マレーシアと、アジアを回っています。コロナ禍前から世界的に見ても、アジアのフェスシーンが面白いと感じています。フェス文化が日本に比べると、まだまだ浸透していなかったところに、2010年代に欧米のEDMフェスが一気に入ってきて受け入れられたかと思えば、オールジャンルの大規模なフェスも各エリアで頭角を表しはじめた。もちろん台湾や韓国、香港などで一定の規模で継続しているフェスはあったけれど、ちょうどコロナ前あたりから、そういったものに加えて面白いフェスが少しずつ残り始めた印象です。<フジロック>や<サマーソニック(Summer Sonic)>と同時期に開催される、<We The Fest>(インドネシア)や<Good Vibes Festival>(マレーシア)といった大規模フェスが2〜3年でなく、10年単位で継続しているし、ほかにもタイの<Wonderfruit Festival>のような個性的なフェスも人気を博している。

Wonderfruit 2022 Official Aftermovie

そしてさらにコロナ禍で流れが変わり、元々ロサンゼルスで開催されていた88rising主宰のフェス<Head In The Clouds Festival>が去年インドネシアで開催され、年明けにはシカゴの<Lollapalooza>がインドでアジア初開催。春にはマイアミ発のヒップホップフェス<Rolling Loud>がタイに上陸するなど、欧米資本のフェスがアジアに狙いを定めてきて、元々あったフェスの定着に加えて、まさに群雄割拠のアジアのフェス市場になっている。そんな2022〜2023年でした。

Travis Scott – Butterfly Effect LIVE @ Rolling Loud Thailand 2023

──アジアのフェスの中で、津田さんが注目してきたフェスティバルはなんですか?

欧米のフェスに参加している中で、関係者やコアなファンからアジアのフェスとして名前を聞くのは、<フジロック>と<サマーソニック>、そして香港の<Clockenflap>。この3つがアジアの中ではいわゆるインターナショナルな大規模フェスで、欧米のアーティストも多く出演するし、歴史もある。<Clockenflap>はコロナ禍だけでなく香港の情勢的なこともあって、ここ4年開催されていなかったけれど、今年3月に5年ぶりに開催して成功を収めました。いつもとは違う春開催でラインナップにアークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)、フェニックス(Phoenix)、ウータン・クラン(WU-TANG CLAN)、カーディガンズ(The Cardigans)、日本からはCHAIや羊文学も出て、チケットもソールドアウト。まさに復活の年になった。さらに<Clockenflap>は今年もう一度、12月に開催される。3月開催の後に発表されたのですが、アメリカ資本のLiveNationが<Clockenflap>の過半数の株を取得したんです。それがどう転ぶかわからないけど、確実に新たなタームに入っていってる。そういった意味で注目していますね。

そしてさらに面白いのが、<Clockenflap>に合わせて、同じようなラインナップを揃えた新しいフェスが東南アジアで勃興していること。タイの<Maho Rasop>は同週開催、ジャカルタの<Joyland>は前週開催。秋は欧米のフェスが少し落ち着くので、アジアに欧米のアーティストがどんどん入ってくるし、日本のアーティストも積極的に出演する動きがでてきた。過去には東京で<Hostess Club Weekeder>というレーベル主催フェスがあったり、去年は<TONAL TOKYO>が欧米のアーティストをまとめて呼んでいたりもしたけれど、定着しているインターナショナルフェスは現状ないので、日本では単独公演がその役割を引き受けています。

Clockenflap 2023 Highlights

10年前まではアジアのフェスといえば、日本を中心に見ていれば問題なかったし、今でも<フジロック>や<サマソニ>はアジアの中でも圧倒的な存在というのは変わらない事実だけど、今は他のアジアのフェスも見ないといけない。個別だと<Clockenflap>の今年の流れがかなり気になっていますが、「この国のこのフェスに注目!」みたいな感じより、アジア全体として次々と生まれてくる新しいフェス、そして10年単位で残ってきたフェスに注目していますね。

──これまで津田さんが足を運んで印象的だったアジアのフェスはありますか?

今年参加した中では、タイの<Rolling Loud>が印象的でした。トラヴィス・スコット(Travis Scott)がヘッドライナーというだけでも話題性はあったわけですが、行ってみるとフェス作り自体も相当面白かった。<Rolling Loud>はヒップホップ・フェスなんですが、作りはEDMフェスに似てる、というか完全にトレースしたものになっていました。VIPとかVVIPエリアが設けられて、一般エリアと同じくらいそこに人がいる。全体的にヒップホップファンが来ているのかっていうと意外とそうでもなくて、都会にいるトレンドの音楽が好きな層が多いという印象を受けました。もちろんアジアのヒップホップシーンが大きくなっているのもあるけど、トレンドとしての音楽をキャッチしている人がたくさん集まっている。企業目線で見ると、アパレルや飲食など、そういった層にアプローチしたい企業がガンガン入っていて、それこそタイだと“オフィシャル・カンナビス・パートナー”というのもあってマリファナを販売する会社や仮想通貨といった勢いのある企業がステージの名前になるような協賛の仕方をしていて、フェスを経済面でも支えているという構図がある。日本以外のアジアのフェスの発展に関してはEDMフェスの貢献は多大なものがありましたが、そういったフェスが築いてきたフォーマットを時代にあわせてうまくヒップホップフェスにスライドさせて、そこに人が集まるようになっている。これは今の日本にはない現象ですね。

TRAVIS SCOTT 5 METER VOR MIR!😱😍 ROLLING LOUD THAILAND TAG 3🔥 ft CENTRAL CEE, OFFSET & CO🇹🇭 VLOG #157

──フェスティバル自体が事業としても盛り上がってるんですね。

そうじゃないと<Rolling Loud>はタイに入ってこない。新しい市場を求めていて、タイで成功できると確信していたんじゃないかと思います。それこそ、コロナ禍前には日本でプレイベントが開催されたり、香港でも開催が予定されたりもしていたけど、そういったスポンサーの存在や若者のトレンドを踏まえて、結果としてタイが選ばれたんだと思います。

そしてそういった資本主義的な流れのフェスができると、そうじゃないところに強みや個性を見出したフェスの存在も高まってくる。日本でも大規模フェスが生まれてから、各地方に様々なスタイルのフェスが生まれて、資本主義的なものとは一線を画したフェスもいくつも生まれました。プレーヤーが増えてくことによってドンドン面白いものが生まれていくのがフェスの面白いところ。かつて日本で起きたようなことが、アジアで起こるのが2020年代中盤〜後半なのではないかと思います。まずは場所、そして時期、そしてコンセプトやテーマなど、これから細分化と淘汰が進んでいくんじゃないでしょうか。

──アジア以外で、2023年上半期、フェスシーンを象徴するような出来事は何でしたか?

<Coachella>の変化が大きいトピックだったと思います。フランク・オーシャン(Frank Ocean)の出演が2週目はキャンセルになって、その代わりにブリンク 182(blink-182)が代打として登場しました。クロージングには急遽、スクリレックス(Skrillex)、フォー・テット(Four Tet)、フレッド・アゲイン(Fred again..)が出演したり、全体的に配信(初の2週連続6ステージ配信)に振り切ったのもあるし、今年<Coachella>は、想定していたこと、想定していなかったことを含めて、この先を占うチャレンジの年になったはず。独自路線をより進み続ける<Coachella>が、今年の結果を踏まえてどういった方向に舵を切るのかという意味で、今年の<Coachella>より来年のことが気になる6日間(3日間×2週)だったというのがリアルな今年の感想です。<Coachella>はそんな感じでしたが、シーン全体としてみると、去年は欧米のフェスシーン全体がコロナからの復活という一つの方向に向かっていたけれど、多くのフェスが2022年でそれを達成できたので、2023年はそれぞれ別の課題に向けて新しい方向を模索している感じが見受けられました。

BLACKPINK – ‘Typa Girl’ Live at Coachella 2023

──欧米ではチケットの高騰も話題になっていますよね。

そもそもフェスのチケットも値段が上がってるのですが、それよりも単独公演のチケットの上がり幅が大きい。アメリカに関しては単独公演のチケット代高騰が凄すぎて、フェスが受け皿になってるという話も現場で聞きます。「たくさんのアーティストを見れてお得」みたいなフェスのシンプルな価値が再認識されているというか。ほかにも現象としては、アメリカは<Rolling Loud>をはじめとしたヒップホップ・フェスも元気だし、ピンポイントのジャンル別フェスや特定の世代をターゲットにしたフェスも活況です。パンクロックのバンドが大集合する<When We Were Young Festival>や、2000年代のスターが勢揃いしたアッシャー(Usher)主催の<Lovers & Friends>も話題になりました。秋にはメタルのレジェンドが集結する<Power Trip>の開催も決定しています。そういったことはすごく大きな流れかもしれないですね。

How Was It? WHEN WE WERE YOUNG, Music Festival Revue

2023年の<フジロック>が描くストーリー

──そういう流れで捉えると、<フジロック>は熟してきたし、コロナ禍を経て体制が変わったと思います。昨年の<フジロック>を振り返ってみてどうでしたか?

去年の<フジロック>は「いつものフジロック」というテーマで開催されました。主催のスマッシュも、そこに集まったオーディエンスも、フジロックに関わっている人全体が、去年のあのタイミングできる全開のアクセルを踏んだと思う。でも現実として規制はまだ残っていたし、いつものフジロック「へ」、つまり「いつも通りのフジロックに向けて」という意思表明を含めた開催だったと、今になって振り返るとそう思います。だからこそ、今年の<フジロック>は、これからの未来を占う上でも、本当に大事な開催になると思うんです。文字通り完全復活の<フジロック>をオーディエンスはどう受け入れるのか、それを踏まえて、<フジロック>側は次の5年、10年に向けてどう舵を切っていくのか。

FUJI ROCK FESTIVAL’22:Aftermovie

──ラインナップ的に昨年との大きな違いはどこだと思いますか?

海外のアーティストが増えたことはシンプルに大きいですね。第一弾のラインナップ発表では海外アーティストのみで公開されたし、それは<フジロック>の意思を強く感じました。最終的に出揃ったラインナップは、スマッシュのスタッフにインタビューしても「自信のラインナップ」ということを話していたし、個人的には、ヘッドライナーは2組が<フジロック>らしいロックアーティストで、一組はリゾ(Lizzo)というのは、今年の世界の主要フェスと並べても個性があって、美しいバランスだと思いました。インタビューした際には「あまり意識していない」という回答でしたが、ここ最近、<フジロック>が作っている女性アーティストの文脈もしっかり引き継いでいるし、新しさもあるという抜群のセレクトだと思いました。歴代のヘッドライナーの中でもとても綺麗な3組に収まったんじゃないでしょうか。

──津田さんが個人的に楽しみにしているアクトは誰ですか?

リゾは絶対観たいですね。日本においてリゾがどれだけ受け入れられるのかは、フェス目線でも、一洋楽リスナーとしても非常に気になるところ。去年のヘッドライナーだったホールジー(Halsey)もチャレンジだったけれど、リゾの方がより大きな意味でフジロックのこの先に影響を与えるヘッドライナーなんじゃないかなと思います。リゾのライブは2019年に<Coachella>や<Glastonbury>でも観て、そのエンターテインメント性の高さにびっくりして虜になったのを覚えていますが、グラミー賞を受賞した後の今のリゾが観たいし、アジアのフェス初ヘッドライナーという大役をどう務めるのかにも興味があります。

FUJI ROCK FESTIVAL’23:DAY3 7.30 SUN – FULL LINE UP & TIMETABLE HERE!!

──今年のラインナップはそういう意味でみんな強く、ストーリー性がありますよね。ヘッドライナーのフー・ファイターズ(Foo Fighters)は去年、長年ドラムを担当していたテイラー・ホーキンスが亡くなるという悲劇に見舞われてしまって。

スマッシュの方にフー・ファイターズのブッキングの理由を聞いたら、向こうから「今年動く」という話というか提案があったと。<フジロック>にとっては特別なバンドだと思うし、前回は(ギターボーカルのデイヴ・グロールが脚を骨折していて)玉座に座ってやったわけですから。今年はドラマーが変わって新しく動き始める中で、今回<フジロック>でライブをすることには大きなストーリーがある。

FUJI ROCK FESTIVAL’23:DAY2 7.29 SAT – FULL LINE UP & TIMETABLE HERE!!

ザ・ストロークス(The Strokes)は今年インドの<Lollapalooza>のヘッドライナーで観ました。2020年に新譜を出して、その年の<フジロック>に出演する予定だったけど、コロナで開催延期になってしまった。今年はそのストーリーを取り返しにきてるという見方もできると思うんです。どこのフェスを見ても2020年のラインナップがあったわけで、それを回収するというストーリーを見せることもできる。例えば今年の<Coachella>は2020年にブッキングされていたフランク・オーシャンでストーリーの回収を目指したけれど、少し時代とマッチしなかったんじゃないか。そういう意味で、<Coachella>の2020年はフランク・オーシャン、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)、トラヴィス・スコットがヘッドライナーだったので、まだフランク・オーシャンしか回収できてないわけですが……。<フジロック>に関していえば、今年ではないけれど「テーム・インパラ(Tame Impala)も頼むぞ」という気持ちは多くの<フジロック>ファンが思っていることかもしれませんね。

FUJI ROCK FESTIVAL’23:DAY1 7.28 FRI – FULL LINE UP & TIMETABLE HERE!!

他にもギリギリになってBAD HOPの最初で最後の<フジロック>出演が決定するなど、最後の最後まで楽しませてくれたのが、今年のラインナップ発表だったと思います。欧米勢はもちろん、国内勢もいつもとは違う感じもあって面白い。アジア勢は、インドのJATAYUが観てみたいというか<フジロック>マジックみたいなものが起きるんじゃないかとか、去年からグリーンステージの朝一が気になって仕方ないので金曜朝はFEVER333から始めるか、いやレッドマーキーで鋭児から観ないといけないなとか……。ほかにも今年観たいアーティストを挙げるだけでこのインタビューの時間が終わってしまいそうなので、もしよかったらポッドキャストで、注目アーティストや主催者インタビューも配信していて、その中でもたくさん語っているので、聴いてもらえると嬉しいです。

この時代だからこそ、五感で感じるべきこと

──近年との変化として、今年の<フジロック>は配信がないですよね。

聞いたときはとても驚きました。前提として、今の時代、配信を行うことはフェスにとって大きなメリットがあると思っています。フェスのプロモーションとしても、海外視聴も含めたアーティストの露出の場としても。他にも、身体的、経済的な事情など、様々な理由で、フェスに来られない人もいるはずで、配信があることで救われる人もいると思います。ただ現実的なことを話すと、配信にも莫大なコストがかかるわけで、<Coachella>を筆頭にフェスの無料配信が一般化して、クオリティの高い動画配信が当たり前という時代になってしまった功罪として、そこだけで採算を考えると厳しい現実があるのも理解できます。世界的にもコロナ禍を経て、<Coachella>のように配信をプロモーションと捉え、グッズ販売などなどを含めてより強化していくフェス、そして今年のフジロックのように中継なしで、アーカイブ配信や一部のみ配信といった形に切り替えるフェスに分かれていくと思います。

──津田さんは今年<Glastonbury>を10年ぶりにお休みしたとか。

プライベートな事情があってのことなのですが、今年は<Glastonbury>に行けなかったんです。10年前に勤めていた会社を辞めてからずっと参加し続けてきて、初めて参加できなかったのですが、月並みな言葉にはなってしまうんですけど、やっぱり行かないとダメだなと。もちろんライブの一部がアーカイブ配信されているし、現地からいろんな情報がSNSなどを通して届きます。開催中も現地の友人や仕事仲間から連絡がきて色々と教えてくれるのですが、やっぱり自分の目で見て肌で体感しないと分からないということがよく分かったんです。

今年はアジアのフェスに行くことに振り切ってみて、頭では納得していたんですが、<Glastonbury>を休んで感じたのは、百聞は一見に如かず。やはり行かないと何も分からないというシンプルなことでした。<フジロック>も一緒で、現地では、その場でしか分からない新しいことや面白いこと、そしてその中で変わらないもの、変わっていくものを感じられるんです。時代が動く瞬間はそこにいないと絶対見えない。その機運はその場にいないと掴めない。別に参加する人がそんな機運を感じにきているわけではないと思いますが、今年の<フジロック>は新しい時代の幕開けという感じがしていて、これまで参加したことがある人にとっても、これから新しく参加する人にとっても、貴重な体験になるんじゃないかと思っています。

フジロック’23 遂に苗場の夜のアイコン「THE PALACE OF WONDER」復活!

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別に<フジロック>に行かなくても月曜日は訪れて、仕事があったり、学校があったり、家庭があったりと、それぞれの人生は進んでいきます。でも行くと何か面白いことが起きる/体験できるのが<フジロック>の魅力だし、僕個人がコロナ禍で強く感じたのが、自分の好きなものや好きな場所がずっと継続してくれるのは実はとても難しいことで、それが目の前に存在しているのはとてもありがたいことだということ。<フジロック>に限らず、音楽好きであればクラブやライブハウス、音楽以外でもどんな文化や現象でも、自分が少しでも興味を持っているシーンを自分の目で見ておくのは、何でも便利に手に入るこんな時代だからこそとても大事な気がしています。だからこそ、フジロック未経験の人でも、過去に参加している方でも「少しでも迷ってるんだったら行ってみたら」と思います。もちろん安い金額ではないし、物理的にも遠いし、日常生活に比べると遥かに無駄も多いです。そんな簡単に言うなよと思う方もいることも重々承知しています。うちのメディアの学生スタッフにもよく言われます。それでも「迷ってるんだったら行った方がいい」というのが、<フジロック>における僕の意見です。

あと以前に比べたら<フジロック>も色んな意味で選択肢が増えていると思います。各都市から直通のバスもあるし、Under 22チケットもある。自分も初めて参加した学生の頃は、<フジロック>に対して「遠いし、お金もかかるし、大変そう」という印象ばかりが先行していました。だけど行ったらそんなの問答無用で潰してくれる体験があった。世界中のフェスを見てきたけれど、<フジロック>のあの体験と感動は世界中どこを探してもない。<フジロック>は<フジロック>でしか取り返せない。熱く語ってしまいしたが、僕は<フジロック>に行ったことがきっかけで人生が好転したので、そんな体験を一人でも多くの人がしてほしいという純粋な思いが半分と、一人でも多くの人が<フジロック>に参加してたくさん食べて、飲んで、そのお金がトラヴィス・スコットとラナ・デル・レイ(Lana Del Rey)とジョージ(JOJI)のブッキングに繋がればという個人的な願望が半分です。皆さん苗場でお会いしましょう!

フジ公式テーマソング「田舎へ行こう 〜Going Up The Country」忌野清志郎

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フジロックはフジロックでしか取り返せない!Festival Life編集長・津田昌太朗が語る2023年のフジロックが描くストーリー life-fashion230626-fujirockfestival2023-5

フジロックはフジロックでしか取り返せない!Festival Life編集長・津田昌太朗が語る2023年のフジロックが描くストーリー life-fashion230626-fujirockfestival2023-6

2023.07.28(金), 29(土), 30(日)
新潟県 湯沢町 苗場スキー場

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FUJI ROCK WEEK at 東京ミッドタウン八重洲

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2023.07.08(土)〜17(月・祝)

東京ミッドタウン八重洲

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忌野清志郎「田舎へ行こう!~Going Up The Country」

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ユニバーサル盤

<フジロック>開催期間中の3日間、GREEN STAGEで一番最初に流れ、フジロックの幕開けを告げるアンセムとして多くのフジロッカーから愛され続ける忌野清志郎の“田舎へ行こう”が7月5日(水)にリリース。フジロック主催者、公式ファンサイト「フジロッカーズ・オルグ」、ユニバーサルの3者共同企画として、カップリング曲が異なる2バージョンでのリリースが決定しており、現在予約受付中。

<ユニバーサル盤>
カップリング曲にアルバム「ラフィータフィー」からグルーヴィーでゴキゲンなロック・チューン「Sweet Lovin’」を収録。ジャケットは、1999年のアルバム『ラフィータフィー』のジャケットに写っていた清志郎の娘であり、消しゴムハンコ作家の百世(ももよ)が書き下ろしたイラストによるもの。フジロックのグリーン・ステージの写真にコラージュされた百世のイラストは、この夏の祭典のピースフルな雰囲気に溢れ、ゴキゲンなグリーン・バイナル仕様のEPにマッチしたとても美しい作りとなっている。

Side A:「田舎へ行こう!~Going Up The Country」 作詞・作曲:忌野清志郎
Side B:「Sweet Lovin’」作詞・作曲:忌野清志郎

発売日:2023年7月5日
商品形態:アナログEP  カラーバイナル(グリーン)45rpm
品番:UPKY-9107
価格:定価2,200円(本体価格2,000円)
全国主要レコードショップ、WEBショップ、UNIVERSAL MUSIC STOREにて発売。

UNIVERSAL MUSIC STOREFRFオフィシャル・オンラインショップ GREENonRED

フジロックはフジロックでしか取り返せない!Festival Life編集長・津田昌太朗が語る2023年のフジロックが描くストーリー life-fashion230705-fujirockfestival-4
フジロッカーズ・オルグ盤

<フジロッカーズ・オルグ盤>
両A面仕様でフジロックの前夜祭でおなじみ、数千人のフジロッカーが乱舞する開催地固有の盆ダンス「苗場音頭」を収録。ジャケットは、フジロッカーズ・オルグに残る初年度1997年開催からの膨大な記録写真からセレクトされた3枚を使用。2005年にWHITE STAGE出演時の忌野清志郎のライブ写真と、苗場音頭に合わせてお客さんが前夜祭で盆踊りを楽しむ写真、そしてこのEPを手に取った人だけが楽しめるメディア非公開の激レアショットで構成されている。

Side A:忌野清志郎 「田舎へ行こう!~Going Up The Country」 作詞・作曲:忌野清志郎
Side A:円山京子 「苗場音頭」 作詞:長谷川洋・作曲:永田哲也

発売日:2023年7月5日
商品形態:7インチアナログEP  カラーバイナル(グリーン)45rpm
価格:定価2,200円(本体価格2,000円)
フジロッカーズ・オルグにて発売。

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