moshimoss 逆に聞きたいんですけど、ミツさんはジャケットにどこまで関わるんですか?

mergrim 僕は今まで出した3枚のアートワークをOSSAちゃんという人にお願いしていて、1st(『Invisible Landscape…』)と1stのLive&REMIX盤(『Intersect Landscape』)に関しては、元々あった彼女の作品を使わせてもらったんだよね。今回ははじめて書き下ろしてもらったというか。ちなみに、これは絵じゃなくて写真なんですよ。

moshimoss へえー!

mergrim 全部写真のコラージュになっていて、よく見ると、女の子やキツネがいたりして。そもそもOSSAちゃんにお願いしたのは2008年ぐらいで、僕がスーパーデラックスでレーベルパーティーをやった時に、たまたまウチのレーベルのDJ蟻の友達で彼女が作品展示をやっていて。その作品に一目惚れをして、「アルバムを作る時はアートワークをやってください」と言ったんだよね。でも、そこから僕は3年ぐらい作れなくて、彼女とも音信不通になってしまって。でも、ようやくアルバムができるというタイミングに、たまたま現代美術館の池田亮司展ですれ違ったんですよ。その時に声を掛けて、「アルバムが出来るから、アートワークを提供してくれない?」とお願いしたら、正式にやってもらえることになって。

moshimoss 結構イメージを伝えたりするんですか?

mergrim うん、今回は一つだけね。太陽だけは入れてほしいっていうことを。

moshimoss なんで太陽なんですか?何か太陽に意味があるんですよね?

mergrim すごいグイグイくるね(笑)。サンセットもしくはサンライズ、どちらかというと、夕焼けのマジックアワーみたいな風景を表現したかったというか。『Hyper Fleeting Vision』というアルバムタイトル自体が一瞬の煌めき、一瞬垣間見える素晴らしい情景みたいなニュアンスなんだけど、それを表したいなと思って。1stアルバムをリリースしたことによって、色んな人と出会う機会がすごく増えたんだよね。僕のことを知ってくれて、中国ツアーとかヨーロッパツアーとかを経験したことによって生まれた縁を切り取るっていう作業がアルバムのコンセプトだったので、それを束の間のマジックアワーのようなスペシャルな時間帯として表してほしくて。それで、このアートワークになったの。一期一会的なものというかね。

【インタビュー】mergrimとmoshimossによる特別対談(後編)。お互いの制作環境、新譜、アーティスト名の由来などについて、さらにトークは深まってゆく…。 music130614_mergrim_jk-1

『Hyper Fleeting Vision』

――これ、相当レイヤーが重なっていますよね。

mergrim そうなんですよ。オリジナルデータを最新のパソコンで開くのにも結構な時間が掛かるぐらいで。

moshimoss ミツさんは今回、すごくコラボレーションしてるじゃないですか。フットワークが軽いですよね。

mergrim いやいや、あなたに言われたくないよ。

moshimoss いやいや、僕って作る時に誰かにやってもらうというのはほとんどないから。

mergrim でも今回はさ。

moshimoss まあまあ、そうなんですけどね(笑)。ある種、自分の中でやってみたかったから、割と頑張ったというか。

mergrim 僕も本当にそうだよ。僕も彼女(Lily and Fox ※アイスランドのバンドRokkurroのボーカリスト、チェリストでもある)にも参加してほしかった。羨ましいよ。

moshimoss たまたま共演してTwitterでも繋がって、歌ってほしいなみたいなみたいにモジモジしながら言ったら、いいよって言ってくれたんですよ。さっきのバンドの話じゃないですけど、もしかしたら自分以外の人と絡むのは、自分とその人にとっても新しいものを発見できるのかもしれないですよね。でも、コラボレーションって自分だけのことじゃなくなってるから、どこか怖い部分もあるじゃないですか。そういうモヤモヤはあるんですよね。そう考えると、一人でよかったなって思うし。

mergrim これだけの人数(7人)とコラボレーションするって大変なんだけど、一人やったら、もう一人、二人という感じにクセになったというか。一人で活動しているから、これだけ色んな人と関われるというのもあるよね。

moshimoss たしかにそうっすね。極論を言ってしまうと、自分が音楽をやめることはないんですけど、やめたい時にやめることも出来るじゃないですか。それが気持ち的には楽で、無責任でいられるというか。だけどバンドのメンバーがたくさんいて、やめたくても簡単にはやめられないぜって状況で続けていったら、最高の瞬間が待っているのかもしれないですけどね。

mergrim バンドでしか出来ないものもあるのかもしれないんだけどね。今の若い子たちって密集してる感じがするんですよ。それこそ2.5Dみたいな場所に集まったりすることで、一つの塊になっている。だけど、僕らの世代ってすごく密集した経験がないというか。それぞれが個別で発生していて、がっちり一緒にパーティーをすることもなかった。でも、いつの間にかAmetsubがハブになって、京都の<night cruising>とか山梨の〈Neguse〉とかと結び付いた感じはありますね。

moshimoss Twitterをやり始めた時期とも重なっていて、知り合うべくして知り合ったみたいなところもありますよね。

mergrim 〈PROGRESSIVE FOrM〉とか大きな枠が好きというのはあったのかもしれないけど、もっと密に付き合うようになったのはTwitterだったのかも。

moshimoss メールだと違うんですよね。ジャブ的な話は出来ないじゃないですか。

mergrim メールはマンツーマンだもんね。

moshimoss Twitterだと、「それ、どこのラーメン屋なの?」ぐらいの会話から始まっていく付き合いというか。それぐらいから仲良くなっていくのが丁度良いんですよ。

(text & interview by Shota Kato[CONTRAST])
(all photo by Mariko Kurose)

Event Information

●mergrim 『Hyper Fleeting Vision』 release party presented
by PROGRESSIVE FOrM & moph records

2013.07.07(日)@渋谷WWW
OPEN/START 16:00/CLOSE 21:30
ADV ¥2,500/DOOR ¥3,000(ドリンク別)

メインフロア
mergrim HFV set with Kazuya Matsumoto/Cokiyu/Janis Crunch/Jessica from Ngatari/Cuusche and yuanyuan x Junichi Akagawa
ゲスト・ライブ:aus + Takcom/agraph, Go-qualia x Naohiro Yako/henrytennis/lycoriscoris Band Set
DJ:Ametsub

スモーキング・ラウンジ
ライブ:Fugenn & The White Elephants/Kan Sano/Licaxxx/Metome/Nyolfen/Tessei Tojo
DJ:DJ蟻/qurea

TICKET:チケットぴあ(P:200-177)、ローチケ(L:78113)、イープラス
前売り取り扱い店:タワーレコード各店カウンター、DISK UNION各店(渋谷クラブミュージックショップ/新宿クラブミュージックショップ/下北沢クラブミュージックショップ/吉祥寺/池袋)、more records(大宮)
主催:PROGRESSIVE FOrM 、moph records

●moshimoss 『endless endings』 release event
2013.07.19(金)@ 青山Cay
OPEN 18:30/START 19:15
ADV ¥2,500/DOOR ¥3,000

ラインナップ
moshimoss/hidefumi/坂本美雨 × 勝井祐二 × U-zhaan/Cuushe
and more special guest!(6/14 発表!)
DJ:Ametsub
TICKET:ローチケ(L:71202)

Release Information

[twocol_one] 【インタビュー】mergrimとmoshimossによる特別対談(後編)。お互いの制作環境、新譜、アーティスト名の由来などについて、さらにトークは深まってゆく…。 music130608_mergrim_jks
Now on sale!
Artist:mergrim(メルグリム)
Title:Hyper Fleeting Vision(ハイパー・フリーティング・ヴィジョン)
PROGRESSIVE FOrM / moph records
PFCD35 / mcd011
¥2,100(tax incl.)


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