カップラーメンのお湯の線
小さい頃、
カップラーメンとかコーンスープは
線より上まで注いでいた
飲むたびに薄くて
なんで欲張ってしまったのかって後悔するけど
また次も線より上まで注いでいた
帰り道、
冬になるとさとうきびの背が伸びて周りが見えなくなる
おまけに街頭もないから星の光で帰っていた
同級生は保育園から高校まで一緒で
自転車漕げばどこまでも行けた
そのどこまでもはすぐ終わるものだった
すぐ海に突き当たるんだ
カフェもゲーセンもないから自販でジュース買って
漁港で夜まで話したり踊ったりして遊んでた
話してる内容はよく覚えてないけど
今の私とそんなに変わらない気がする
今は街灯だらけ
夜でも朝みたいな街に住んでいる
星は目を凝らしても見えない。
会う人は毎日違ったりして、
お金さえあればどこまでもいける。
Suicaの残高600円なのは置いといて
カフェもゲーセンもなんだってある
話す内容と
線より上のコーンスープだけは変わらず
夜でも朝みたいな街で
カラオケで初めて聞く音楽
私の中ではその人の歌になる
やけに狭い空
高くなれば高くなるほど値段が上がる高層ビル
耳の数は島より何億倍もあるはずなのに
通りにくくて仕方ない
今は街灯だらけ
夜でも朝見たいな街に住んでいる
星の話しをしても届かない
会う人はSNSで管理されている
電車に乗ればだいたいのところはいける
猫カフェだってディズニーランドだってある
話す内容と
線より上のカップラーメンだけは変わらず
model
妹
photo & write
中山 桜